【男子陸上競技部】それぞれの想いを襷に乗せて!6選手が出雲路を力走/男子陸上競技部

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出雲全日本大学駅伝選抜競走が12日、島根県出雲市で行われた。全国の予選を勝ち抜いた大学、各地方の学連選抜、外国人で結成されるアイビーリーグの計21チームが出場した。立命館は2時間15分43秒の10位でゴールし、2011年に出場した同大会よりも順位を3つ上げた。

 

昨年は台風の影響で大会が中止となり、一昨年は予選会で敗れたため実質的に3年ぶりの出場となった出雲駅伝。優勝した青山学院大や駒澤大、東洋大など強豪校も出場したこの大会で、立命館は「1桁の順位」を目指して出雲路を駆け回った。

 

大会当日の午前中は雨が降っていたが、天照大神が祀られている地・出雲とあって、スタート時には雨が止み、晴れ間がのぞいた。報道陣や地元の観客も多数詰めかけ、盛大に2年ぶりに開かれることとなった。

 

立命館の1区は濱野秀。4回生で、「チームとして関東の大学に勝てるように」と最上級生らしくチームを思いやる意気込みでレースに臨んだ。開始直後は先頭集団に付いたものの、2キロ過ぎからは高橋(東洋大)、中谷(駒澤大)、ジョン・カリユキ(第一工業大)らが形成した先頭集団に離され、5キロ過ぎからは武田(早稲田大)、市谷(山梨学院大)による集団からも距離を取られ、8位を狙う第3集団に入った。途中、一人でペースをコントロールする場面もあり、『離された中でついていくのが苦しかった』と課題を残す内容となった。終盤には、一時先頭を走っていた東洋大・高橋がコースを誤っている間に抜き、順位を上げたが、1区の8kmを23分35秒の10位で2区の山本に襷をつないだ。

濱野の後を継いだ山本大志は潰滝(中央学院大)、服部勇(東洋大)、ウドランド(アイビーリーグ)と8位争いをするところから始まった。だが、潰滝は区間新記録を打ち立てた走者であり、服部勇も優勝候補と目された東洋大のエースとあって、その2選手のペースについて行くことが出来ない。「服部を意識はしなかったが、追い抜かれたときに速さを感じた」と山本。その後はウドランド、1区の3位から順位を下げていた三牧(第一工業大)と争ったが、最後まで追い付くことができなかった。結局、全6区間の中で最短の5kmを16分44秒で走り終え、12位で2回生の桝本に反撃を託した。

 

エース区間の1つである3区を任された桝本剛史は、今回走ったメンバーの中で唯一の2回生である。自身としては初の出雲駅伝で、「練習を詰めてきたことを信じて走る」と意気込んだ。12位で襷を受けたときには、3秒差で高田(第一工業大)、ベンドセン(アイビーリーグ)を追う状況で、2人を抜かしてもまだ10位。さらにその前を走る寺西(京都産業大)、服部弾(東洋大)、塩谷(中央学院大)の集団とは17秒離されており、1桁の順位を目指す立命館・桝本にとっては苦しいレース展開となった。その中でも桝本はきっちりと高田、ベンドセンを抜き、3区を25分33秒、区間11位の走りで順位を10位に押し上げた。寺西が25分03秒の走りを見せ、9位の京都産業大とは1分以上の差がついてしまったものの、自己ベストが10km、29分55秒の桝本にとっては初の出雲で上々の走りができたと言って良いだろう。

 

4区は村武慎平。地元・島根県の石見智翠館高校の出身で、チームで最も出雲になじみのある選手である。3区を通過した時点では9位の京都産業大に53秒差と、6月の予選会では勝った相手と大差をつけられていた。だが、「関東の大学に勝つ」というもう1つの目標についてはこの時点で大東文化大(11位)、城西大学(14位)をリードしており、上位との差を少しでも詰めることが求められた。この時点では青山学院大、駒澤大が激しい1位争い、次いで東海大、山梨学院大、東洋大、早稲田大、明治大が3位を狙って第2集団を形成し、中央学院大と京都産業大がその後を追っていた。立命館はその次点、50秒以内に5チームが集まる第4集団のトップという位置であった。村武は、15秒差あった11位の大東文化大、アイビーリーグをどんどん引き離し、前を走る中井との差を縮めていった。田中監督も「頑張っていた」と評価する走りを見せ、53秒あった中井との差は襷をつなぐときには24秒と、6.2kmで29秒も差を詰めることに成功した。ゆかりのある出雲で、村武はチームで最も記録の良い、区間7位、18分27秒と好成績を残した。

5区の土井政人も、村武に続けと言わんばかりに9位の大貫(京都産業大)を視界に捉えたいところだった。しかし、中継をした際に自身がタイムの管理をするために使う時計を押し忘れるというミスを冒してしまう。起伏の激しい5区のコースにも苦戦した模様で、思い描いたようなレースを展開できない。それでも、土井は粘りのある走りで挽回し、結果的に京都産業大との差を18秒差にまで詰め、5区6.4kmを19分33秒、区間9位でアンカーの片渕へとつないだ。

最終区の片渕恵太は10000mの自己ベストが29分27秒と、チームの中で最も速い選手である。4回生としても、10位でつないできた襷をさらに順位を上げてゴールしたいところではあった。全6区間の中で最長の10.2kmのコース、ここまで必死にそれぞれのベストを尽くしてきた5選手のためにも、立命館として最後の力を振り絞るべく片渕は走り出した。前を走る京都産業大と18秒差でスタート。「調子は良かった」と片淵、序盤から快調に飛ばすと、3.4キロの時点で田中(京都産業大)に追いついた。だが、追い越すことはできず、田中には再び差をあけられてしまう。さらに、5区の時点では51秒差でリードしていたアイビーリーグにも抜かれ、最後は11位でゴール。目標の8位には届かなかったが、2時間15分43秒と、2年前に出場した時よりもタイムを1分以上縮めた。

 

次の舞台は11月1日に行われる、全日本大学駅伝競走である。田中監督は「一つでも多くの大学に勝てるように」と話した。今回は大東文化大、城西大よりも上の順位だったものの、まだまだ物足りない様子で、選手たちもさらなる高みを目指しているという。全日本駅伝競走まで残された時間は3週間ほどと短いが、今回の個々の収穫と反省を活かして、少しでも上の順位に入ることを目指してほしい。

6区・片淵
6区・片淵

 

 

田中監督「関東の大学に勝ちたいと思っていて、2校に勝てたが、6月に勝った京都産業大学に追いつけなかったのが悔しい。夏場に良い練習をしてきたし、メンバーの底上げもできたので競争環境も厳しくなっていただけに悔しい。良かったことは、攻める走りをできたところがあったこと。全日本はもっと厳しいので、その中でも関東の大学を倒したい」

濱野選手「調子は普通だった。夏が調子よくて、それに比べれば良くはなかったが、それでもまずまずの調子だった。メンバーに選ばれて、全く緊張はせず楽しめた。応援団がたくさんいるのがびっくりしたけど、緊張せずに楽しめた。序盤ペースを上げて走っていけたので、5000mは自己ベストに近い数字で走ることができた。悪かった点は逆に崩れてから、自分一人で走る場面で、メンタル面がまだ足りていないと感じた。後半タイムが落ちたという意味でも悔しい部分はあった。」

山本選手「調子は悪くなかった。区間順位は10位で、京都産業大にも負けたので、もう少しいきたかった。最初1kmを2分50秒の計算で入ったが、しんどくて、アイビーリーグに追い付いたけど、抜けなかったのでもう少し頑張りたかった。服部勇に抜かれたときについて行けなくて、まだまだレベルが違うと感じた。意識はしてなかったけど、抜かれたときに『速いな』と思った。全日本までに、今回感じた力の差を縮めていけるように頑張りたい」

桝本選手「(今日の調子)だいぶ緊張して、去年出る予定だったが中止になったため、自分でも分かるくらい緊張していた。調子は決して悪くなかった。(メンバーに選ばれて)去年予定されていた区間と同じ区間を走った。任せられた区間をしっかりやろうと思ったが、ライバル校である京産大と大きく差をあけられてしまった。そこが今回の反省点であり、まだまだ力不足だと感じた。前に2校いたので、最初差はあったが、最初に詰めていこうと思った。ゆとりが出てからは自分で行こうと思って1人で走ったが、前の京産大が小さくなる一方だったのでそこが悔しかった。ちゃんと1人で走れるように、まだ駅伝経験が浅いので場数を踏んでこれからもっと強くなりたい。良かったところは大きく崩れなかった点。もっと速いペースでも1人で刻んでいけたら良かった。(全国の舞台で走ってみて)沿道の応援がすごくて「立命館頑張れ」と言われて嬉しかった。まだ学校名だけなので、次は名前で応援されるようにこれからもっと有名になれるように頑張っていく。(全日本大学駅伝に向けて)去年アンカーを任されて、だいぶ悔しい結果になったので、今年こそ出雲駅伝の悔しさを交えて、アンカーをまた任せてもらえるのであれば全力で頑張っていく。あと1カ月切っているのでしっかり調整して頑張っていく」

土井選手「調子はかなり良かった。だけど、スタートの時に時計を押すのを失敗して、焦ってしまった。まずは一つ前の京都産業大を追いかけていこうと思った。メンバーに選ばれて、お世話になって人に連絡して、応援してもらうように伝えた。起伏のあるコースだったが、関東や京都産業大学にタイムで勝てたのでよかった。ただ、タイムをもう少し縮めたかった。」

片淵選手「(今日の調子)良かった。(メンバーに選ばれて)出雲駅伝は初めて出場したけど、楽しみにしていた。(レースプランは)京産大に最初に追いついて我慢して並走してそこからスパートをかけようと思ったが、積極的に追いついてからの粘りを見せることが出来なかった。(全日本大学駅伝に向けて)4年生として引っ張りたかったけど、今回は思うように出来なかった。全日本は最上級生としての意地をしっかり見せたい」

 

【記事:仙田幸久、インタビュー:松下由佳、坂爪未波、写真:坂爪未波】